委員会(3)
前回は、計画(デザイン)委員会と経済再生委員会について紹介しました。計画委員会はまちの再生に関する『物理的な計画』を検討する委員会でした。
ちなみに、『物理的な計画』というのは英語の『フィジカルプラン』という言葉を訳したものです。英語の概念では、都市計画は二つの領域に分かれます。一つがフィジカルプラン(物理的計画)、もう一つがソシアルプラン(社会的計画)です。物的なことと社会的なことが一体となって都市計画となります。
このように整理すると、計画(デザイン)委員会はフィジカル(物理的な)、経済再生委員会はソシアル(社会的な、特に経済的な)を扱う委員会となり、理解しやすいかと思います。
いずれにしろ、「この二つの領域がまちの再生計画には欠かせない、さらに言えば渾然一体となることが欠かせない」ということは言うに及ばないことでしょう
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今回は、組織の運営を担う企画運営委員会について紹介します。それで始めます。
企画運営委員会
メインストリートの再活性化を成功させるためには、リーダーの任命、リーダーとリーダーをサポートする役員のチームワークの構築、活動をサポートするボランティアの仕事のしやすさ、取り組み意欲といったことが、如何にうまく成し遂げられるかが重要な要件となります。この役割を担うのが、組織の運営、企画を行う企画運営委員会です。
企画運営委員会の役割は、まず組織のニーズとそれぞれの委員会の年間計画を理解することから始まります。すなわち、理事に適任の人材を確保したり、委員会が必要とするボランティアを確保したり、運営に必要となる資金集めを行うことです。
企画運営委員会には以下のような責任があります。
□ 組織の資金運用に関すること。メインストリートの再活性化活動の資金集め活動を計画し、指揮すること
□ 理事及び委員長の任命に関する年間計画を指揮すること
□ 会員の勧誘に関する計画を指揮すること
□ 計画委員会、PR委員会、経済再生委員会の委員確保の支援すること
□ メインストリート再活性化活動の強力なボランティアネットワーク作りを促進すること
□ メインストリート再活性化活動のリーダーシップを強化すること
□ 理事会や委員会の新たなメンバーを獲得するために、理事、委員長と共に活動すること
企画運営委員会の任務は大変重要であるため多くのメインストリート組織では、その責任を3つの特別委員会(任命委員会・メンバーシップ委員会・資金調達委員会)に分割しています。
① 任命委員会
理事会や委員長の選出は、役員選挙が行われる1週間前に任命委員会が適任者の選考をします。理事や委員長の適任者とは、メインストリート組織の活動やボランティアのニーズをよく理解している人のことを指します。
この任命委員会は、新しい役員を選考することと選考の過程が信頼できかつ民主的な方法であることの二つに対して責任を負うことです。そして任命委員会は、新しい理事の選出後、第1回目の理事会の会議資料を収集し、理事にレクチャーします。
場合によっては、再び任務に就きたくないと思っている理事が再任されることがあります。そこで、任命委員会の責任を果たすためには、適切な候補者を探し出すために十分な時間が必要であることを理解する必要が在ります。
② メンバーシップ委員会
ボランティアによって運営される組織は、ボランティアが会に参加したくなるような環境作りを行うことが大切です。そのため、ボランティアが生産性を感じ、有意義に感じる環境作りを推進する委員会が必要になります。
メンバーシップ委員会の任務は、会員の技術や才能を理解し、理事会と共に会が必要とする会員の能力を育成することです。また、毎年新しく会員になった人に対して教育を行うことです。
新たなメンバーを確保するための一番よい時期は、一般的に、初秋もしくは1月であると考えられています。なぜなら、多くのビジネスにおいてその時期に年間活動が計画されるからです。
そうして確保されたボランティアをいくつかのチームに分け、そのチームを組織の仕事に振り分け、会の仕事全般に親しみを持てるような環境づくりを行うのです。具体的には、レターやニュース記事の作成、組織のミッションステイメント検討、委員会の名簿づくり、年間活動計画や目標設定、メインストリートプログラムの目的を説明する啓蒙資料など(それらを通じて豊富なプロジェクトにふれることが出来る)の仕事が挙げられます。
ある調査によれば、ボランティア組織に参加する人々の70~80パーセントの方が友人に誘われて参加しているといいます。宣伝や広告だけではなかなかメンバーを獲得することはできないのが現状です。一対一の会話を通してボランティアを確保することが一番の方法です。会員が紹介した友人の会費の1年間分を組織が補助した場合、翌年からはその会費を自分で払うようになると、多くの組織では報告しています。
会費を支払うと言うことは、活動への同意と参加を意味することになります。再活性化活動の資金の一部として支払われる献金とは意味が異なります。メインストリートプログラムに毎年10ドル会費を支払う100名の会員は、活動に参加しない1,000ドル献金者以上の意味があるということです。
例えば、コミュニティで行われるイベントは、新しいメンバーを獲得する機会です。これを見逃さないようにすることが大切です。メインストリートがイベントを開催する時はいつでもテーブルをセットし、会員を配置し、活動の情報を掲示し、会員の獲得に努めることが重要です。
③ 資金集め委員会
この委員会の一番の責任はナショナルメインストリートの年間資金調達活動を計画し、指揮することです。そして、いつでも資金調達ができるようにしておくことです。
資金調達委員会には精力的で情熱家の委員長の存在が不可欠です。このポジションについては、事務局の有給職員ではなく、理事会の役員から選出されるべきだと考えています。なぜなら、有給の事務局員は自分自身の給料を集めることに対して直接的に働きかけることになるからです。
効果的に資金調達を行うためには、理事会が中心となり、資金集めに関する計画を作り、スケジュールを調整し、実施することが必要です。
委員会活動におけるプログラムマネジャーの役割
委員会は、会員が活動する基本的な場所である。委員会は、会員同士が自分の経験を話し合い、お互いに協力し、活動を活性化するのにちょうどいい大きさにすることが大切で、大きすぎてはいけません。
また、委員会は、新たなリーダーシップを育む場所でもあります。メインストリートの活動を通じて、個々の経験を引き出し、専門性を提供する機会となります。
プログラムマネージャーには、委員会の運営を円滑にし、ボランティアの献身的な働き、達成感、責任、効果、満足を最大化させる責任があります。
ボランティア組織の職員の最も大きな役割は、ボランティアの能力開発にある。職員の成果とは、ボランティアの活動とその結果によって評価されるのです。
ボランティアを最も効率的に活用する方法の一つに、活動計画を策定するときに専任職員がいない、あるいは専任職員を参画させることができないケースを想定する、という方法があります。なぜなら、専任職員なしで、その活動がボランティアにより完成できれば、ボランティアの能力が拡張されたことになるからです。
また、この方法は、組織が適切な活動計画を描くトレーニングにもなります。そして、組織の能力に専任職員が加わると、新しい活動を広げたり、追加したりすることがさらに可能となります。
多くの組織では、専任職員が雇用されるとボランティアは安心する傾向にあるようです。専任職員がボランティアの仕事を行うと思い込んでしまうからです。成功するボランティア組織では、専任職員が雇用された後は、皆が円滑に、より一生懸命に仕事をするような組織です。それは、専任職員が導入されたことで、組織の効率性が増すからと考えられます。
メインストリートプログラムのマネジャーの役割は、ボランティアが仕事を遂行できるように手助けすることです。献身的なボランティアにより、力強く、活動の幅が広い組織をつくることができるでしょう。
プログラムマネジャーの仕事は、中心市街地の再活性化の土台となるボランティアの支持を構築し、中心市街地が面している課題に関する地域社会の認識を作り出すことです。目標を達成する最も効果的方法とは、委員会とボランティアの動員を通じて行うことなのです。
今回はここまでとします。
メインストリート組織を11回にわたり紹介してきました。次号からは、組織を離れ、経済再生委員会の役割である『まちのマーケッティング』について紹介します。
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