まちのマーケッティング(2)

前回から米国のメインストリートで用いられている「まちのマーケッティング」についての紹介を始めました。今回はその2回目です。前回は以下のことが述べられていました。
・ メインストリートの初期(1990年代)にはメインストリートを活性化させる方法論・手法が完成されておらず、いわゆるマーケッティングは極めておざなりな状況であった。そのような中から必要に迫られ「まちのマーケッティング手法」が開発された。
・ まちのマーケッティング分析はショッピングセンターの分析方法とは異なる。まちのマーケッティング戦略を立案するための独自の手法である。

さて、今回は前回に続きその手法の一端をご紹介します。それでは始めます。

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4つのステップ
伝統的商業地区のマーケッティング分析(小売商業分析)を行う過程には大きく分けて4つのステップがある。3つのデータ収集の段階と収集したデータを総合化し計画を導く1つのステップである。4つのステップとは、
1.地区の現況を把握し、定義する。
2.存在するポテンシャルと活用すべき資産を把握し、定義する。
3.消費者が望んでいるものを把握し、定義する。
4.総合化してビジネス開発の戦略をつくる。

第1ステップ:地区の現況を把握し、定義する
あなたの地区がいかなる状況かを検討する前に、あなたは現況を把握するとはどういうことかをよく理解しなければならない。それは二つのパートからなる。

まず、あなたのまちの商業地区にある全てのビジネスのリストを手に入れること。それは小売と小売以外も含めてである。次に、それぞれのビジネスについて、それのプライスポイント(安い、中くらい、高い。それぞれの店で扱っている商品が安いか、中くらいか、高いかということである)を記録する。この商業のリストづくりが第1パートである。

次に、あなたのまちの商業地区の全てのビジネスを「横軸を価格帯、縦軸を業種とするマトリックス状のグラフ」にドットとして表記する。グラフ上のドットは、多かれ少なかれ、いくつかの固まりが現れる。固まりのいくつかは垂直的に、いくつかは水平的に表現されるであろう。その固まりが、あなたの地区の強みを示している。

水平的な固まりは、あなたの商業地区の特化したビジネスの特徴(もしくは特化した特徴となる可能性)を示している。例えば、そのグラフが家具・インテリアの軸に沿って平行に並ぶドットを示していれば、それは、家具・インテリア関連のビジネスがあらゆる価格帯に対して幅広く存在していることを示している。その特化した特徴をアピールし、一般に広く知られるようになれば、それをまちの活性化に役立てることが出来る。いくつかの例を挙げる。
・ 家具・インテリアショップの数が多ければ、それと共栄することが出来る店をリクルートし、強化することができる。例えばカーペットストアを加えることができるだろう。
・ 家具・インテリアショップ関連の商品やサービスをさらに拡張することができる。例えば、織物店・掛け軸店を加えることで家具という業態の幅を広げることが出来る。
・ 一般に広く知られた知名度を活用して、マーケットの強みをいっそうイメージさせる販売促進イベントを計画することができる。
・ そして、近隣市町村の住民の家具・インテリアに関する購買力を推計し、どの程度の販売拡張が可能かを推計する。その拡張計画を達成するためには、マーケットをどの程度拡大する必要があるかを推計できるだろう。

垂直的な固まりは、その地区が特定の収入層を引きつける商売をしていることを示している。例えば、あなたのまちが安い価格帯の商品やサービスを提供していて、それは家具、医療、健康サービスに関する全領域を扱っていたとする。このように、いくつかの商品やサービスに関して特定の人口層を引きつけているとすれば、あなたは、それらの店を引き立たせる他の店を加えることができる。すなわち、現在の業種を増加させる。あるいは、商品構成やサービスの幅を広げるために現在欠けている業種を導入する、などである。

グラフに現れた水平や垂直のクラスターを線で囲み、強調する。このグラフは、簡潔で、視覚的なマーケットカテゴリーの情報である。これらの検討を通じて、あなたのまちの商業のアピールポイントを探し出すのである。

このようにしてまちの中にある全てのビジネスをグラフの上のドットで表すことが、まちのマーケッティングの第一段階である。


今回はここまでとします。次回は「まちのマーケッティング」の第2ステップ、商業需要の把握の仕方について紹介します。

「メインストリート成功の要因」(第5回掲載)と「メインストリート8つの原則」(第7回掲載)を文末に載せます。回を重ねるごとに、全体の構成が見えにくくなります。ポイントを読み返していただくと、今回の記事の位置づけが理解しやすくなると思います。

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