まちのマーケッティング(6)
前回に続き「まちのマーケッティング」の手法を紹介します。
前回は、第3ステップ「消費者調査の方法」を紹介しました。今回は第4ステップ「総合化してビジネス開発の戦略を組み立てる」です。
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ステップ4 総合化してビジネス開発の戦略を組み立てる
さて、あなたは必要とするすべての情報を集めることができた(ただし、集めきっていなくても良い。徐々に情報を付け加え、精度を上げていけばよい)。さあ、ビジネス開発戦略を組み立てよう。ビジネス開発戦略とは、あなたが分析したマーケットの利点を活用し、現況のビジネスを強化すること、あるいはマーケットのギャップをうめる新しいビジネスを開発することである。
第一に、あなたは全ての情報を総合しなければならない。
総合化を行うための決まったフォーマットはない。あなたの組織にとってもっとも良い方法を用いればよい。小委員会を作り主要な問題を討議する、経済再生委員会において何回か連続して協議する、個々のスタッフやボランティアがそれぞれアイデアを持ち寄る、他にも方法はある。
基本的には、全てのデータを系統立てて整理するため、以下の10の質問に回答することである。
【ビジネス開発戦略を組みたたるための10の質問】
1. あなたの商業地区を最も多く訪れているお客は誰か。彼らはなぜそこに訪れているのか。彼らはそこの何を好み、何を嫌いなのか。
2. あなたの商業地区に訪れていない人たちは誰か。かれらは、あなたの商業地の何を嫌っているのか。
3. 年齢や収入、人種などの違いで消費者を分類してみて、かれらが商品やサービスを購入している店はどこか、お客に応じて有意な商業地や商店はどこか。
4. 年齢や収入や人種によって、商業地区に対するイメージの違いがあるか。また、地区に居住あるいは就業している人々と、その地区を訪れる地区外の人たちと、地区のイメージに違いがあるか。
5. 商品やサービスの種類の中で適切に提供されていないと思われるものはあるか。(今よりもっと買い物するはずだと思われる特定の商品やサービスがあるか。)
6. その逆に、供給過剰と思われる商品やサービスはあるか。(例えばまちの潜在消費額に比べて、特定の商品やサービスの売り上げが特出しているなど。)
7. お客の属性(性別、年齢など)に応じて、地区に対するイメージと買い物行動の間に何らかの関係がみられるか。例えば、働いている女性は商業地区でもっと買い物をしたいと思っているが、営業時間に問題があったり、アクセスに問題があったりするために、買い物に来ない。あるいは、若い女性は、そこは安全ではなく、魅力的ではなく、納得できる価格で良い品質の商品を売っていないというイメージを持っているために買い物に来ないなど。
8. あなたの商業地区の中で力のあるビジネスは何か。
9. あなたの商業地区に何か独特の戦略的利点を持っているものはあるか。あなたの商業地をユニークにするようなもの、他の商業地区との違いを明確にするもの、歴史のあるお祭りやイベント、工場や観光施設などのたくさんの人が集まる場所、他の地区にはないビジネス、などである。
10. あなたがもっとも驚いた情報は何か。それはなぜか。
これらの10の質問について討議した後、そしてそれぞれについての回答を作り、それらを整理して、以下の見出しのビジネス計画書(経営者が行っているようなもの)に記載する。
エグゼクティブサマリー
ビジネス計画書の概要を記す。これは第1章であるが、最後に書く。
商業地区の現況
商業地区の現況、すなわち交通、商業の現況、主な来街者の人口統計、一般の人たちが抱くイメージ等である。そして、あなたの商業地区の強みと弱み、現実とイメージについて記述する。
競合
どこの商業地があなたの商業地の競争相手か。それぞれの商業地の強みと弱み、人口統計上の強み、消費者が持つイメージについて記述する。
需要
どんな商品やサービスに関して、消費者の需要にまだ応えられていないか、あるいは応えられていないように見えるか。どんな商品やサービスに関して供給過剰か、あるいは過剰と思われるかについて記述する。
目標
経済開発にかかる目標をできるだけ具体的に記述する。例えば、「3カ年の間に、中心街の就業者の昼間の売り上げを20%増加する。」「街なかの取扱商品に関する否定的な消費者イメージを覆す。」などである。
戦略
上記の目標を達成するために、何を行うのか、3年から5年の間に行う再活性化のプログラム(事業)について具体的に記述する
資金
上記の戦略を実行するために必要とする予算はいくらかを記述する。
経営
上記の予算を提供するもの(資金協力者)は誰かを記述する。そして、資金協力者の役割と能力を記述する。また、事務員やコンサルタントの雇用など、人的、技術的協力内容について記述する。
以上のビジネス開発戦略は、メインストリートにおける4ポイントアプローチ(計画、組織、プロモーション、経済再生)に関する活動を含んでいなければならない。すなわち、活性化戦略が4ポイントアプローチの項目に従い、マトリックスで整理されるイメージである。
新しいビジネスを誘致する、あるいは在来のビジネスを拡張する、それがビジネス開発戦略である。これを作成するためには、少なくとも次のことをあなたは知らなければならない。
1.あなたの商業地区で買い物することを阻止させている具体的な(フィジカルな)要因は何か。
2.改善すべき商業地や商店主のイメージは何か。
3.あなたの商業地を他の商業地と区別することを難しくさせている要因は何か。
以上が「まちのマーケッティング分析」において最も重要な視点である。
今回はここまでとします。次回も引き続き「マーケッティング戦略の作り方」について紹介します。
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