米国メインストリートの活性化事例(2)
前回に続き米国メインストリートの活性化事例を紹介します。
前回は、米国西海岸のソノマ(ナパバレイとサンフランシスコの間にあるまち)のマーケッティング戦略について紹介しました。今回は、活性化戦略とマーケッティングの違いをケーススタディします。
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活性化戦略とマーケッティング戦略の違い
活性化戦略とマーケッティング戦略は同一ではない。マーケッティング戦略が活性化戦略と同じである必要はない。マーケッティング戦略は、確かに活性化戦略である。しかし、活性化戦略の全てが、マーケッティング戦略のようなものであるわけではない。
例えば、あなたの地区の活性化戦略の一つに"使いやすい駐車場"という課題があったとしよう。使いやすい駐車場という活性化戦略は、他のメインストリートやショッピングモールに共通する課題である。しかし、あなたの地区の特徴を際立たせ、他の地区と区別するという意味を持つものではない。よって、使いやすい駐車場という課題は、活性化戦略であるがマーケッティング戦略とは言えない。
もちろん、マーケッティング戦略が、再活性化活動に功を奏するものでなければ、戦略と呼ぶことはできない。単に、あなたのまちのユニークなマーケットポジションを主張したり、いくつかの些細なまちの特徴を取り上げたりするだけでは、再活性化に結びつくものではない。
マーケッティング戦略とは、あなたのまちの力を集結し、再活性化活動を前進させるアジェンダ(行動計画)でなければならない。メインストリートプログラムのフォーポイントアプローチ(組織、計画、PR,経済再生)がこのマーケッティング戦略に集結されなければならない。
それでは、2つのシナリオを見てみよう。
シナリオ1
あなたの中心市街地にパン屋が10軒ある。その中にはエスニック向けのパン屋など、特別なパン屋も含まれている。50マイル以内の他の商業地はない。そのようなパン屋の集中構造と多様性を持っている。
戦略
中心市街地のパン屋が卸売の協力体制を作った。そして、半径50マイル以内のレストランに自分たちのパンを売り込んだ。
ベーカリービジネスは2倍以上に拡張した。2年以内にパン屋が4軒、開店した。
以前は工業地域の周辺に散らばっていたレストラン向けのリネンサービスやクリーニングなどを行っているビジネスが中心市街地に移動してきた。それに加えて、傑出したフードサービスが成長しているという評判から、中心市街地には新たに魅力的なコーヒーショップとレストランが3軒オープンした。
この結果、行政は、現在オールド・アーミー・パーキングで行っている月例ファーマーズマーケット(農産品の直売)を中心市街地で行い、それを週間イベントにすることを決めた。
あなたのメインストリート組織はイベントカレンダーをフードフェスティバルのシリーズへと変更し、ウェイター・ランやパン焼き大会など、街なかがフードセンターであることを強調するイベントを開催した。
シナリオ2
街なかには20世紀初頭に、何人かの世界的に有名な建築家によって設計された建物があり、月に一度は、全米や海外から建築家や建築を目指す学生のグループが訪れている。彼らは、記念のお土産を探すのだが、彼らの求めるようなものは街なかのお店では売っていない。
戦略
メインストリートの再活性化組織は、世界的に有名で、優れた建築物の評判をより強化することを決定した。
まず手始めに、再活性化組織は、まちを訪れる建築家たち向けに、そんなに高価ではない$50以下の木製の街なか建築物のミニチュアを作ることを決めた。それが飛ぶように売れた。
次に、街なかから40マイル離れた大学の建築学科と協力して、3日間の歴史的建築シンポジウムを開催した。そして、地元の企業はこのシンポジウムに協賛し、歴史的建築物のエッセイに関する国際コンペを行うための資金を提供した。
その後の5年間に、建築関連ビジネスが6つ進出し、雇用が60名生まれた。そのビジネスとは、高級建具の店、建築模型を作るための部材を売る店、建築関連の本屋、有名建築家がデザインした家具や家庭雑貨を売る店、建築廃材の処分を行う会社、建築会社の使用するデザイン用ソフトウエアを開発する企業である。
それらの企業は、郵便やメールによってほとんどの取引会社と連絡を取り合い、あるいは、全世界中のお客から注文を受けている。彼らのビジネスの内、地元取引は10%に過ぎない。
また、地元の学校と協力し、K12歴史的建築カリキュラムを開発した。そして、街なかをその研修地として使うことにした。
世界的に有名な建築物のコーニス(建築物の軒に取りつける装飾材。軒蛇腹)をまちのロゴマークに採用した
上記の事例は、ほんの数年間で街なかのマーケッティング戦略により、まちの商業地としての位置づけを確立した例である。これらの例を読み、あなたのまちを見返してほしい。そして、以下のファイブ・ステップ・プロセスに基づき、あなたのまちのマーケッティング戦略を組み立ててほしい。
今回はここまでとします。次週はファイブ・ステップ・プロセスについて紹介します。
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