ファイブ・ステップ・プロセス

前回は、2つのまちのマーケッティング戦略をケーススタディしました。今回は、マーケッティング戦略の作成方法「ファイブ・ステップ・プロセス」を紹介します。

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1 60マイル以内(1マイル約1.6KM)にある全ての商業地とあなたの商業地の力を比較せよ。

あなたのまちの商業地の力についてブレーンストーミングすることから始めよう。しかし、その力とはマーケッティング戦略である必要はない。それは、戦略に関連すること、その基礎となるものであればよい。
多くの人々がこのプロセスに参加すること。あなたが力だと考えていることが、他の人にはそうでないこともある。商業地は全ての人々に異なって映っている。あなたは多くの人々の意見と認識が必要なのだ。
この検討を地域の主要な商業地のそれぞれにおいて繰り返して行う。あなたの地域が田舎にあれば、半径60マイル以内にある商業地域を対象にして行うことが適当だ。また、あなたの地域が都会であれば、その都市圏を対象にして行うことが適当だ。
あなたの地区と他の地区の商業地の力を徹底的に比較検討したら、検討した事項を一点一点に整理すること。あなたの地区が他の地区と比べ強みとしている点を明確に特定することが出来る。

2 あなたのまちが目標とする第一番目のゴールを定めよ。

あなたのまちが本当に望んでいる商業地区の姿とはどんなものか。例えば、地域の住民は、イーストボストンのような日常生活に便利な生活拠点(コンビニエンスセンター)を望んでいるのか。それとも、シャルロットビルのような地区外の人たちが買い物にやってくる特徴ある商業地区にすることを望んでいるのか。地域の仲間はまちがどうなることに最も価値を見いだしているのか。地域住民はまちの特徴をどのようにイメージしているか(それは、あなた達が考えているものと同じだろうか。)。そして、あなた達はそれらの特徴をどのようにして強化するのだろうか。

3 あなたの地区を特徴づける一つのことを磨き込め。

他の商業地と異なるあなたの地区の魅力をひとつ、際立たせることに時間を費やせ。それは、地域住民が望んでいる地区の姿を形作る上での助けとなる。

4 マーケッティング戦略を常に新鮮にせよ。常に評価せよ。
表を作りなさい。表頭に、メインストリートのフォーポイントアプローチ(組織、PR、計画、経済再生)を書き、表側に、まちの特徴を売り込むマーケッティング戦略の各項目を書きなさい。そして、それぞれの升目(マトリックス)に、まちの住民や企業の人達がイメージしている各項目の現状を書き込み、事業の進行に応じて、常に評価し更新しなさい。

5 マーケッティング戦略を計画に取り込め。
マーケッティング戦略について徹底的に話し合ったら、それらの要素をまとめ、まちを売り込むための2年間計画(2年間達成目標)を作成しなさい。

注意すべきこと
あなたがまちのマーケッティング戦略になると考えていることが、他の人たちから見るとそうではないことがある。
例えば、シャルロットビルでは、地域の人たちはまちの商業地が魅力的で特徴あるものになることを望んでおり、街なかにある豊かな歴史資源をシャーロットビルの特徴と捉えていた。しかし、リッチモンドやレキシントンのような有名な歴史的都市に比べるとそれらは見劣りし、マーケットの中で特別ユニークなものにはならない、と思い込んでいた。
実際、消費者調査を行ったところ、地域の人たちは、シャーロットビルの歴史資源をどのように活用するかについて前向きな考え方はなく、一般的にバージニア州には歴史的資源はない、と回答していた。
かれらは自信を持つことが必要であった。その結果、メインストリート組織は2つの戦略を作ることになった。一つは地域の人たちに認識を高めてもらう戦略、もう一つは他の地区の人たちに地区の歴史を売り込むための戦略である。

マーケッティング戦略とは、一般的に知られていないことを売り込む場合もあれば、よく知られていることを売り込む場合もある。

例えば、ラッシュモア山国定公園の麓にあるまちで、4人の大統領のモニュメントを観光客にもっと売り込みもうというマーケッティング戦略を行うのであれば、それはよく知られた事実であり、一般の住民にもわかりやすい戦略といえる。
一方、マーケッティング戦略が一般的に知られていない事実から作られる場合もある。例えば、イーストボストン地区の例がある。イーストボストン地区はローガン国際空港のそばにあるという立地を生かしてマーケッティング戦略を作った。しかし、この事実を認識している住民は少ない。
イーストボストン地区では国際空港のそばにあることをマーケッティング戦略にした。そして、空港関連の企業と雇用が増加し、空き床化している建物の上層階が埋まった。また、近所の商店街の売上が増加した。

マーケッティング戦略はまちの弱点をさらけ出すことではないが、その策定過程において、あなたの地区を自問自答し、つまびらかにすることが求められる。
主張の異なる団体や人々の衝突、緊張、反対意見をよく考慮し、まちの人たちに「この地区に何を望んでいるのか。地区の個性をどのようにして表現すべきなのか」を尋ねる。地区が経済的な安定と反映を望んでいるのであれば、そのような異なる主張、軋轢が解決されなければならない。
地区の特性や問題点をつまびらかにし、マーケッティング戦略を策定して行く。その過程が、異なる主張を持つ仲間を結びつけ、団結を作り出していく。しかし、そのためには、どこのまちにおいても言えることであるが、再活性化活動を行う組織は、その話し合いを効率的に進めて行くために、優秀であり、オープンであり、政治的な偏りのない組織として、信頼を築き上げる必要がある。

今回はここまでとします。次回はマーケッティング戦略の演習を紹介します。

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