3.個の分散と集団のシェアワークを認識する技法
先述の通り、Y世代を初めとする消費者という「個」がもつ自由と平等性は、選択できる多様性の中では,何も制限するものは現在では多くはありません。我が国には「個」に対する限界性は殆ど何もありませんが、惑星地球という有限が目に見える時代となってみてふと我に帰ると、我々にとっての自己実現とは何かという疑問が,新しい認識領域を我々に気づかせてくれます。
「個」の熟成というか市民が自己実現の意味する所を理解するにつれて、物的な領域における「個」の限界性を理解するようになり、次いで目に見え始めた地球人類としての有限性を認知するようになると、集団として生き残るためには、自分が尊厳と共に保証された自由と平等を痛めつける事態を起こすことを知るようになってきます。
それが自分を含めた組織や集団のために必要な,生死をかけた公益性であっても、長い歴史的判断基準になれた自己の獲得形質に囚われて自己改革は中々難しいものであります。
それは恰も何故「自分が癌に懸かる必然性」を説明せよと言わんばかりの不満となって世間に噴出するほどの苦痛となることは多く存在します。
消費者は内的な多様性のある創造性の高い消費性向をますます増加させ、しかも精神的な嗜好性を徐々に高めています。この様な「個」である市民の意識性向は多種多様であり、複雑系の科学に言うように、機能の細分化は限りなく進行して行きます。そしてその結果は、統合を専門とする業態が発生してくるのが,必然的な経過であります。
我が国にも世界にも多く存在している多様な業態であっても、消費者の多様な価値観に相応できる業態は,決して多くはありません。このような「個」の物的から内的に転換する行程における価値認識の分散は、複雑な軸性をもっており、絞り込んだ狭い領域しかなくても奥深い価値観によって,与件変化に適応しようとする業態と、生活必需品で安全と安価でありながら心のこもった選択可能な量販店などを両極とする業態の整理とが実施される必要があります。消費者属性別の感性に関わる軸性と受け手側である業態別のステークホルダーの認識のズレを充分配慮した商業政策の決定であり、これが商店街などの商業機能に成立される「個の分散と集団のシェアワーク」であります。
そしてまた充足しつつある情報網の再整備による消費者の感性の変化に適応できる内的技術と情報の共有性が,新しいまちつくりに必須の技術になるように思われます。 このことは、地域小売商業として、消費者感性に係る意識格差及び生活圏機能の地域格差の是正に向けて、地域コミュニティとの感性等の情報共有化と分析・融合化策による互いの顔が見える消費サービスが求められ時代に、地域が分担と協働する商業政策づくりや地域産業、地域の自然風土など多様な組み合わせ・選択による生活目標への商品創造活動の不断の実施が、地域発展にむけた対策として求められる時代のような感じが致します。
しかもこの消費性向を決定つける商業機能に関する与件変化は、相当に長期に亘るものと覚悟しなければなりません。それは地球人類という水準の混乱と混乱から脱出するための,高度な先端的な領域にわたる研究が併行して実施されると見られるからであります。そして小売り商業は多分、与件変化に適応して進化する人間の,地球人類としての大きな試金石を提供する可能性をもつからであります。
この現状に対する貢献性を理解し、これに応える道こそ小売商業の活きる道ではないかと思うのであります。
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