事例:東京都 F駅前地区 市街地再開発事業
まちづくりを実現するための目標策定技術(特徴的特性分析・言葉のピラミッド)
当地区においては、昭和40年代から30数余年にわたる経緯を経て、当研究所がコンサルタントとして参加させていただくことになったわけですが、まだその段階では、中心的な権利者の方々のやる気はあるのですが、事業を進める方向性が明確ではありませんでした。
そこで、当研究所では、扇形構造(http://udit.sakura.ne.jp/town33/606_1.html)と呼んでいるシステムを使い、F地区及びその地域周辺の社会構造、経済構造、都市構造に関わる諸データをすなわち人口の推移、産業の推移、商業の推移、文化行事の種類など、扇形構造の各要件について図表化し、権利者の皆様に提示し、それをもとに、KJ法で、F地区らしさを表現するあらゆる言葉を出していただき、その言葉を上記(図1)に示すように、言葉のピラミッドに整理していただきました。
何度も行われた会合での議論の結果、ピラミッドの頂点に残った言葉は、全部その地域独自の年に一度のお祭りということでした。そのような検討から、地域の誇りである神社、門前町、参道の並木などとの連携を考慮した計画を検討してゆこうということになりました。
この地域では、キーテナントを中心に、権利者の方々で作る専門店街を作ろうという考えでありましたが、その配置については皆さんの中で意見が分かれもめていました。
それが、F地区らしさは、神社を中心とした門前町であるということで、皆さんの意見が集約され、神社に面し、参道の並木を眺める位置が選択されました。この選択が功を奏し、権利者店舗による専門店街は、現在も地域の中心として活況を呈しています。
このように、再開発のような大規模な共同化事業は、結局のところ関係者の方々の心のまとまりが非常に大事になってまいります。それは、人々の地域の神社を愛する気持ちや、祭りでの楽しい思い出、神妙な祭事の厳粛な雰囲気、それに伴う数々の出来事など物的なことではない心の琴線に触れる波動が複合し、人々の中で融合することにより、強い意志が生まれ、これが事業の推進力となります。このような人々のまとまりをつくるまちづくりの目標策定手法が、長期にわたる事業において、困難を乗り越え、地域の中心としてのまちづくりを行うために最初に為すべき事のように思います。
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