垣間見える大型店の限界性と商店街との協業に向けて
先進国社会は、大量な生産と消費行動に支えられながらも、数多くの環境問題に厳しく行く手を遮られています。新ミレニアム期の英知はこれにうち克つエネルギーを持っているのでしょうか。市場経済の行方に不透明感が拡大する中で、先進諸国や国連などが制御困難な事態が幾つか重なって、手をこまねく事態が発生するまで放置されるか否か、我々市民、世界市民でもある我々に今、問われているということも一つの事実だと思います。
スポンサードリンク
この様に事態が進んでいる一方で我が国では、大競争時代とも言われる大型店の熾烈な競合から、その存立をかけた大がかりな適者生存の生存闘争が始まっています。
企画化された商品は便利で多くの余裕時間を創り出した分だけ、市民のライフスタイルに個性的な主張や自然への回帰などの新しい消費行動を浮き立たせました。これらに関わる若い消費者にとっては個性的な商品を求める行動距離や時間に対する抵抗感はなく、むしろこの負担さえ個性的生活の一部になっているように思われます。
市民の消費性向がより個性的な生活創造と徹底した利便性追求の二極に分化し、これに対応するような大型店舗(GMS+コンビニエンス・ストア等のチェーンストア等)づくりと、個性豊かな専門店の商品や活用に関する創造的な個性化のアドバイザリーサービスによって適正な協業関係が保たれる業態の育成が、一つの望ましい姿かも知れません。この様な目標が、既存の都市の中で秩序ある姿で構築されるには、まちづくりの中で適切に調和し、且つ両者共に繁栄したという、どこかのまちづくりの中で成功したという事実の構築以外にはありえないのかもしれません。
大型のGMSが汎用の規模あるいは増床し併存して成功した事例にも見られるように、まちづくりは市民の常に進化するニーズをいかに的確に把握するかが勝負であり、その事は何時の時代も変わりはありません。只、最近の商品寿命はあまりにも短時日で混乱期の特性を示しています。これに対する対策は大型店も商店街も共に考えなくてはなりません。
現在、我国の商業構造上の問題は、中心市街地と郊外という対立の構図にあり、今日最も活用される交通手段である「車」によるアクセス性から郊外立地の優位が叫ばれ、この傾向がなおも進行していることです。そして、この事が中心市街地における商店街衰退の元凶のように言われますが、これは商店街にとって外的な一要因に過ぎないことを改めて認識する必要があるように思われます。
商店街の抱える大きな課題はむしろ商店街の内的要因にあり、それは本来、急速に変化している地域の消費者に対して、十分な対応ができずに提供すべき生活材の品揃え、店揃えが著しくバランスを欠いていることにあります。商店街は個店の集合であり大型店のような情報収集力や経営基盤が弱いことから、時代の変化に機敏に対応することが出来なかった背景は理解できます。
しかし今後、個店の集合から組織化された集団として、既存の資産を見つめ直す時、「商店街」の役割は地域に密着した利便性と親身でアップ・トゥ・デイトな専門的生活商品情報の提供であり、その強い要請が地域に生まれつつあることを改めて確認する必要があります。その為の集団として力を発揮するための識見、経営力、販売技術力、情報収集力をいかに獲得するかが業態確立への大きな課題といえます。これらのことが商店街組織の中で討議され具体な対応策に取りまとめられる過程の中で商店主の意識改革が行われ、勇気を持って立ち上がる原動力にまで高めるべきでしょう。
集団として力を発揮できる商店街の遵守しなければならない事項は以下の通りではないかと思います。
商店街を繁栄に導くという共通目標の成立
個別商店よる相互依存性の認知
商店街における役割分担の徹底
商店街貢献に対する価値尺度の成立
良好なコミュニティ(仲間)意識の確立
一方、現在郊外における大型店が順風満帆にあるかといえば、決してそうではない状況も起きつつあります。郊外型SCでは平日の稼働率の悪さ、郊外店同士の競合激化、複合化に伴う投資の過大化など、郊外立地が必ずしも効率の良い立地とは言えないという開発担当者の声も聞こえてきます。改めて都心部の立地を見直す動きを見せる大型店もあるようです。
これらの状況から、商店街の政策(MD)も大型店が特徴とする個性的消費に対する集客力を活用し、みずからも業態革新をはかる新たな協業体制へ改革進歩することが望まれます。それは対立の構図から、相互に補完し合う協力の構図に変化することであり、そのためにはまず「商店街」が自立した業態として業種構成の再編など強い意志を持った変革にチャレンジする必要があります。
このチャレンジには、まず「貴方ならどうする」という商店街に代わった、貴方自身の意志を表現しなければなりません。
意志がなければ有効な計画は描けません。そして計画として描けなければ、つまり青写真にまで計画を表現しなければ、その実現はあり得ません。
まず貴方自身が立ち上がって、自分の店は勿論のこと、商店街が集団として地域に貢献するために何をなすべきか、個別専門店が集団として奮い立てるような活性化の骨になる部分について具体的な案を工夫しなければなりません。「商店街が、行政がしてくれる」ではなく、「商店街のため自分は何が出来るか」を問い続けることが必要な時代です。
スポンサードリンク
