まちづくりの主体性を考える

 「まちづくりは誰のものか」という命題は、まちづくりにあたって最もそしていつも大切なことです。まちづくりに関して多くの制度や支援体制は徐々に整備されてきましたが、今もなお「まちづくりの主体」は、まちを構築してきた市民全体であり、「いち」としてサービスの主体である商業者であり、サービスを受ける市民であり、その総和である行政であることに異論はないでしょう。

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 市民の生きる都市環境は地域市民そのものの総体であるからです。すなわち「まちづくり」その行為自体が、地域市民の生活行動や運動から生じるもでのであり、その生活行動とそれを包含する「まち」との関係から生まれる新しい知覚や感覚が、人々との関わりの中で、日々新しい環境や、様々な思いがけない出来事を見つけ出していき、そこから都市環境は形成されて行くことになります。

 これらの地域市民の生活行動の中から、人々は次第に共同的な価値観を認識し、有機的な連帯意識が生まれ、相互扶助、相互秩序となり、コミュニティが形成されて行くことになります。この人と人の間に生まれた関係、コミュニティの意識をまちというハードウエアに創りあげて行く行為自体がまちづくりといえます。地域文化の具象形として現れたものそのものは、このような市民自らの長い間の活動の中で要求し、結果として作りあげたものだからです。

 そしてまた、コミュニティを優しく包含するまちを、コミュニティの全体調和を考慮した上で、住民主体により、行政、企業との相互協力の基に、企画提案され、適切に情報開示が行われ、相互認知されたまちづくりとして実現されてゆくことが望ましいものと思われます。
 
 このように、まちづくりにおいて市民がその中心ではあるのですが、行政、民間事業者との協力が不可欠となります。行政と市民を結ぶ一つの形として、NPO法が施行を契機として徐々にまちづくりNPOが生まれてきています。このまちづくりNPOは、3つのセクターを有機的に結びつけまちづくりを全体調和の中で作り上げるには不可欠な存在になって行くものと思われます。
 
 暮らしやすいまちづくりを行う場合、違う立場の人たちがお互いを理解した上で協力して行動する必要があります。その際に、認識の違う方々とのねばり強い話し合いの中でそのまちづくりの社会性を理解してもらう必要性がありますが、民間事業者や行政が主体となっても、市民の信頼を得にくいというのが現実です。市民によるまちづくりNPOが中立の立場で、これらの調整を行うことによって相互理解がスムーズにいくことが期待されます。
 
 また、郊外店が進出し、中心市街地における商店街が大きな影響を受ける中で、個々の店舗毎の運営ではなく、商店街を構成する商業市民相互が協力してNPO的組織を作り、商店街全体を一つの有機的組織として運営して行くことにより、市民全体へのサービス水準を上げて行くことなども政府の施策と合わせて実行に移すべきと思われます。

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