タウン・アーキテクツの世界

 まちの歴史的魅力という点からみますと、コンクリートという画期的建材や性能の良い空調システムが造られるなど技術的革新が急テンポで進展した結果、地域景観や空間上の特徴が急速に薄れつつあります。
 市場経済の右肩あがりの長期的継続や、規格化された建材料、あるいは経済的な建築を求める風潮、ローコスト化への技術的追求、更には大都市への急激な集中などにも一因があったように思われます。

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 地域文化という言葉を、地域住民のライフスタイル、生活様式というと狭義の捉え方でみますと、まちづくりという市民環境は、自分たちの好む生活環境を構築したいという住民の想いと行動の所産であり、一方では、希望と幾多の原因による現実の乖離という困難性に対し、郷土に対する愛着心が支援して漸く対応策の実現というプロセスを持っているという側面もあります。

 このように自分たちの世界を構築し、これが外部世界から一定の環境として評価される様になるには、この営みが集団的な活動として遂行され、出現した環境などの総合的な雰囲気を住民が共有して、互いに支え合っていることが、重要な成因であり最も大切にしなければならないことだと思います。

 住民が共有できるような環境づくりには住民の営みとして支え合って作りあげる過程こそ最も重視しなければならないことなのですが、誰しも個人の営みに精一杯でまち全体に想いが届いていない、そんな実態があることも事実でしょう。実はまち全体が良くなって自分の店舗も活きてくる自明のことなのですが、商店街の集団化に対しては外部の関係者ばかりでなく、市民も商店街自身も何か諦観をもっていると思わざるをえない現実があります。しかし、商店街を取りまく与件はもうそれを許しません。商店街の組織自らが、「自己組織化」を進め、激変する与件に適応する改革を進めなくてはなりません。

 新しいまちづくりは、この様な背景を創ることによって商店街の構成員はもちろん、市民全般の共感を得られることであり、それにはソフトな部分をもとにして、絶え間ないワークショップや模型、検討等を通じてタウン・アーキテクツの世界まで入って行かざるを得ないでしょう。

 その時はもちろん、まちの部分部分の再生や造形のテーマはもちろん、重要な要件になるのですが、親しみのある景観、商店街の性能など商勢圏内市民に対する広報活動はもちろん、パブリック・インボルブメントの成否(「月刊まちづくりの焦点」参照)が新しいまちの魅力を決定づける大きな要因になります。商勢圏内の市民全般との事前協議の具体的手法を工夫するなど、商店街の一体的感覚の醸成が重要な役割を持つことを重視しなければなりません。

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