地域文化と都市の文明
パーソナリティ豊かなまち空間と個性的品揃え
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文化という言葉は、狭義では地域の生活様式のことを言いますが、文明という言葉 civilization がラテン語の市民 civis や都市 civitas に由来するように、とくに都市の文化をさすことが多いようです。
文明の発展に対して都市の果たした役割は大きく、都市は文明を表示するだけでなく文明をつくりだすものだという考え方が生まれました。文明の形成にともなって都市が発展すると、自然の与える脅威から解放されて生活がより快適になっていきますが、他方、自然の破壊もまた進まざるをえません。
また現代文明の側面の一つは文化に対する文明という概念であり、文明とは無限に進歩していくと考えられていた技術的な諸手段の総体を意味するものとされています。もう一つの見方は民族文化に対する世界文化というべきもので、たいていの場合に文化は民族や言語や伝統と結びつき国境を越えていくことがないのに対し、文明は民族や国家を超えて普及していくものとされています。
地方分権の時代がやってきて、いまや、地域市民にとって特徴のある生活様式や生活環境が1つの市民ステータスとして求められる時代となってくる、そんな兆しが現れています。この代表的表象が街空間のデザインであり、街路樹の緑に映える個性ある商品群や品揃えと調和して市民にアピールする魅力的空間が、店舗のディスプレー等の店構えになりますし、市民はこれらの空間を楽しんで散策します。いわば個が持っている空間と公共の空間との交流という大切な側面も持つことになります。
まちづくりの風景からは、市民のライフサイクルの中に求められる商品群や個性ある品揃えが、歴史や風土等の中から培われた感性や市民のまちづくり活動によって取捨象形され個性的な商店街の「みちの風景」、「まちの景観」と相まって、包括的かつ複合的に構築されることが望ましい様に思われます。市民、商店主、自治体を中心としてタウン・アーキテクチャーやデザイナー達のまちづくりにかける熱意と持続的な姿勢が、まちづくりを通じて特性ある文化の育成に貢献していきます。
このようなプロセスの構築によって、市民の郷土に対する誇りと憧憬の念を豊かに育むことになり、活力ある企業や市民の参画を助長し、この様な市民エネルギーの結集が中心市街地再生の重要な活力源になります。
後述の「6-1.地域にある文化的資源、地域文明に育つであろう資源を再評価する」の項でさらに述べることになりますが、市民、商店主の活躍が、行政及びタウン・アーキテクチャーやデザイナー達に対する感動を呼びその想いが街の空間に拡がっていきます。地域における文化活動や風土など、まちづくりに活用された素材のサーベイに際しての評価軸あるいは視点(表4:活用しうる地域文化の抽出評価軸、参照)を具体的に置き、市民を中核として商店主やプロフェッション(知的職業)などによる積極的な検討を進めることが重要です。

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