まちの賑わい計画づくり

まちの賑わい感の量的限界から目標値を定める

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 まちの歩行者通行量は、歩行者流シミュレーション・モデルの知見によりますと、首都における特別な地域を除いて、一般に来街したものの歩行目標に到達する時間距離のn乗に反比例し、単位街路延長に付属して集積する商業、飲食、レジャー等の販売額(単位街路長当たり商業力密度)に比例して街路を選択し歩行しています。(右表:歩行者シミュレーションの基本構造(表5)、参照)。
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 また、まちの歩行者量の動きとまちの商品売上額とには当然のことですが対数的な相互関係があり、歩行者流の増大によって売上額は対数関係で増加してゆきます。しかし、道幅や交通障害など街路の特性が持つ限界を超えたときは、却って少しずつ減少して行く傾向をもっています。(右図:街の歩行者通行量と商品売上げ高の関係(図3)、参照)。
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 従来から良くある6メートルの商店街に来街者が殺到して一日10時間計測で3万人を越えるようにになると限界値になるのが一般的な傾向と言ってもよいようです。ある商店街がありここに属している商店街の売場面積や業種構成から、街路の単位延長あたりの売上やトリップを算定しますと、顧客流動の一般的な状況が推定できます。

 複雑な商店街区での来街者は熟知している道を選択しがちですが、初めて来街したような街を知らない来街者は集積の多そうな賑やかそうな街路を選択しようとします。(図:街路指標の取り方(図4)参照)
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◇ 時間変化形成で昼間前後に大きな山が出るのは広中域の広域または地方生活圏の中心市街地機能を保有しているなど、1日当たりの総通行量と時間的変遷パターンを観察することにより現在の商店街の機能的特性が見え、現状機能と通行量から売上げが想定され、ここから商圏規模を推定することができる。さらには駅前商店街ならば駅乗降客数からも商圏規模を推定することができることになる。

集積の多い街区は、視界に入る商店の大きさなどの規模指標、センスの良い看板、好みの色彩やメロディなどの環境など、やはり来街者にとっての鍵刺激となるものによって歩行の方位を選択しています。この様に来街者は商店街のなかを多様な価値観によって街路を選択しますから、その結果を単純な構造式で完全に予測することは困難です。
 しかし、商店街の賑わい感は、一方では商店街の配置された道幅、歩道の幅員、商業的機能の規模などの、物理的な施設配置から来る限界を(首都における巨大な複合トリップのある特例を除いて)超えることは出来ません。

 商業施設の単位面積あたり顧客の発生トリップは、商店街の性能でも変化しますが商店街といわれる様なところでは0.2人から0.9人/程度であり、商店街に属する商業施設量が、商店街街路の延長あたり一定以上なければ、賑わい感が出てくるわけはありません。商店街の属する街路の幅員や歩道の幅員、商店街街路の延長、街路に属する商業機能の集積具合の実態や充足の余地があるかないかなどを見極めて中心市街地活性化の取り組み口を定めなくてはなりません。

 商店街の商店密度、業種業態の配置、集積などから賑わい感をもつことが物理的に困難である場合は、商店街の長さを縮小してでも特定の範囲に専門店を集積して、賑わい感や商店街らしい領域感を出す施策が工夫される必要があります。
 ここで重要な来街者の絶対量は、後背地である商圏の規模や競合状態、魅力度、消費性向などによって決定されますが、歩行者通行量によって商圏規模が逆に推定されるのもこの様な背景があります。

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 そこで、活性化にあたって商店街実力の現状を認知するにあたっては、まず現状の地区別通行量を観察して、総通行量と共に時間的変遷を観察する必要が出てきます。ここに見られるパターンから商圏の規模を推定することが可能になります。(上表:商店街通行量と時間変化パターンによる商店街の性格(表6)参照)


 まちの賑わい感を演出するには、こうした商圏のもつ後背地の力を、商圏の規模、消費性向、競合の過去及び現在、将来状況から判断して量的な限界値を知る必要があります。活性化の重要な切り口を決めるためには、更に詳細な調査と解析、検討を行って、これら仮定された諸点を確認した後、方針を決めることになります。(ここでは仮定が事実だったらを前提にスパイラルに考えを進めます)

 そうして大なり小なり立地を喪失した商店街の現状を知り、その原因を改善する方位を定めるためには、下記する各項について分析する必要があります。

顧客動線の改善を図るため商店街の面的な整備が有効に働く可能性はあるか

路線沿いの商店街の規模はそのままで質的な改善があれば生き残れるか

規模を縮小してでも個性豊かな特徴を演出する質的対策を採らなければならないか

 中心市街地の活性化に際する物的かつ基本的な限界を知り、それに対応する対策シナリオ(表:まちの賑わい計画の対策項目(表7)、参照)を検討します。そして、ここに述べたような方向つけ即ち基本的な方向性を仮設定してブレイク・ダウンして詳細なシナリオとし、商店街や市民、行政との事前協議をすすめ、詳細な確認作業を行った上で、具体な方向づけを行うことになるでしょう。
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