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まちのMDと大型店のMDにミスマッチはないか評価する

 <検討の手順>
公的公表資料などより規模・売り上げ状況を確認する。財務諸表等から販売経費、固定経費など比較資料を解析する。
フィールドサーベイにより店舗の商品内容や雰囲気などから顧客層やMDを読み他店と比較する。

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 大型店同士の大競争時代の序曲とも言える最近の力関係と、中心市街地との力関係を、質と量の両面から評価して適正な対応策を求めるために、商品群別にシェアの獲得状況をできるだけ正確に推定します。

 この推定は、まちづくりの方向を決めるためにも極めて重要な分析なのですが、公表されるデータにはいくつかの限界があってなかなか困難なことです。そして解析者としては酸いも甘いもかみ分けた判断が必要になります。商店街の未来像の方向づけを行うわけですから、当然のことながら、正しい事実を読みとることが是非とも必要であることは充分解っているのですが、時間と費用と公表されているデータの制約の中ではなかなかの難物であり、定型化できない側面も持っています。

 また一方では、(仮説検証による計画とその実施課題)激変する商店街や中心市街地の与件を正しく理解して成功する再生方策によって対処しようとすると、この様な困難は当たり前のことであると理解して、何らかの次善の方策を考えなくてはなりません。やむを得ず仮説設定、検証のうえ仮説の構造並びにパラメーターを修正して、定性的に分析した判断と照合し納得できる理解が出来れば、取り敢えずこの対策をとってみようかという進め方を採ることになります。

 この場合、理解すると言うことは仮説を構成する要因相互の構造や因果関係をそれなりに理解しているわけですから、どの要因の説明力が浅いか、どの因果関係にはどの程度の瑕疵があるか等が理解されている筈です。このような仮説によって組み上げられた計画を実行しようとするときは、あくまで仮説によって出来上がっている、それが前提の計画であることを忘れてはなりません。この様な前提を常に意識の上に確立しておいて計画を具体化し、詳細をつめながら仮説検証の際に作り上げた構造上の課題の確認を実施し、必要ならば修正するという姿勢が大切です。

 また他方では、時間の制約上、必要な計画や実施上の対応行程が圧縮されることがあるでしょう。その時試されるものが、経験と知識によって研ぎ澄まされたあなたの直感力に頼ることになります。

 ここでもう一つの問題は、計画段階では必ず大なり小なりこれに類似する問題があることです。一つの計画積み上げに仮説検証を要する課題が多いか少ないかだけの差になることです。そして同様に時間と精緻な組み上げが行われた計画であっても、それは計画であって夢の表現力には限界がありますし、どこかに瑕疵を持っています。実施する行程の中でこの瑕疵を解決する、それが推進戦略を構築するということを忘れてはなりません。それが正しく理解されている人は計画の本質に関わっている人だけです。ここに計画づくりと事業化の円滑な進展があります。推進担当者は計画者からその本質を的確に受け取っている必要があります。

 この様な仮説検証の立場から、大型店の企業別、店舗別の公表されたデータとを組み合わせ、一方ではパブリックな商業統計などの情報を組み合わせて、どうしても調査結果が得られないときは実査をしてでも総合的な推定をした上で、商店街の各店舗のフィールド・サーベイによって得られた情報とデータの動きを観察し解析し、当該大型店毎の展開政策を読みとる努力を行います。

さらに商店街調査、商業統計値や商品群別シェアの動態から商店街、専門店の業種業態の実態を把握し現状を勘案しながら、特徴を持ち差別化された各大型店のあるべきMD(商品化政策等)を仮想定し、大型店と商店街、両者の融合のため打つべき施策を工夫します。この場合、当該商店街として総合力を発揮すべき融合のためには、解説 :融合のプロトコルの考え方が有用かも知れません。

 対象となるまたは導入すべき大型店の業態、規模(質と量)は、その地区の商店街への集客という成立基盤を築く上で重要なファクターとなります。特に階層的に秩序良く構成されていた商勢圏の秩序が崩壊してヘテラルキー(=「中心」や「頂点」を持たない水平的な秩序。ヒエラルキーが階層的分化であるのに対しヘテラルキーは機能的な分化を表す)な状況になっている現状では、戦略的な意味合いから見て極めて重要な側面を併せ持っています。したがって地区の守備範囲となる商圏における競合大型店の現状を分析し、その商圏における地域一番となる業態、規模を仮定することは商店街戦略として不可欠です。同時に周辺マーケットは常に可変であるという想定の下、より強力な競合店の出店に対しても柔軟な対応が可能な大型店の規模、出店形態が計画的にシミュレーションされる必要もあります。

 このような戦略的背景を頭におきながら、各種の商店街調査、商業統計表や家計調査年報等からのデータを駆使して、特定商品または商品群別のシェアを出来るだけ時系列に求めます。また、消費の吸引率に関する調査がある場合はその動態を含めて商店街別、専門店群別の業種業態の経営実態を推理しつつ把握し、フィールド・サーベイによる観察結果と照合しながら、商店街の現在並びに将来において持っている商品化政策の設定上の課題を把握して、適切に差別化された商店街のあるべきMD商品化政策を仮に想定します。

 さて商店街、力のある専門店群並びに各大型店双方の融合のため打つべき施策を工夫することになりますが、この場合、当該商店街として総合力を発揮すべき融合のためには、相互の業態を補完し合うMDによる協調や、それぞれが持っている弱点をカバーし却って利点にかえるようなMDの再調整を行い、魅力的な新MDによって融合させる具体的な接点に絞り込みます。(5-2-3 表8:商品群別シェアの事例、大型店のシェアと商店街のシェア 参照)

 しかし、現実には適者生存という厳しい側面も持ち、生き残りをかけた企業間の営みも厳しさを極めてくるでしょう。従って、融合の接点に関する調整も、生活圏市民の消費特性、生活習慣、時代感覚等の分析から生まれる新しいMDなどの発見、発掘がより重要であって、共に力を合わせて消費者市民の共感を得られる総合立地を創ることが大義であることを忘れずに、協業する道を調整することになります。
このとき話し合いが可能な力の背景とともに市民支援が立証される背景づくりが必要になるでしょう。商店街は運命共同体であり、一つの企業としてこれらのことに全力を尽くす道を模索しなければなりません。それには総論でなく商店街の生き残りをかけた商品化政策を中心として事に当たるべきと思います。

 ここではモデル都市圏での既存各大型店のMDを事例データや現地踏査をもとに解析したり読み取り活動を行うことにします。

 読みとりの概要:
 ア.専門家と商店街の方々がC市大型店及び当該A市中心市街地の端にある大型店を現地踏査し、各大型店のMDを機能のポジショニング(図6:商店街機能のポジショニング軸の例 参照)について比較検討した結果、C市大型店は比較的20代から30代の生活行動を狙った商品構成を主軸としたアップスケールでの展開を行っており、当該A市中心市街地の端にある大型店のMDは、最寄り商品を主軸(大型食品スーパー系)とし実用衣料を従とするどちらかとえば2次生活圏サービスを狙った商品構成の展開を行っている。(参照 図12:商圏構造とその動向)
 イ.さらに当該A市中心商店街のMDを機能のポジショニングを業種・業態配置並びに商品構成の状況を踏査し、商店街展開図(参考 5-2-3 図9:商店街における業種・業態配列の事例)に落としてみますと買い回り系店舗と最寄り店舗業種の配列が買い物行動関連の視点からみますとややバラバラの状態であり、商店街が持つべき性能からすれば地域商業から地区商業機能でかつ利便性重視の傾向があり、この部分がシェアー分析や消費者購買動向調査結果での買い回り購買のB市への流出の原因ではないかと思われる踏査結果でした。

 ウ.以上から伺われる対応策の想定は
女性の30代から40代対応の婦人・子供服、洋品雑貨系の商品群及び文化品群の強化による吸引増大策
駅前立地の特性を生かした文化品、最寄品及び飲食サービス系の充実強化での補完吸引増大策
E市、F町からの生活幹線街路整備強化(時間距離抵抗の緩和)による吸引増大策など現段階では大胆に仮設シナリオの材料を加えていきます。

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