価値意識法/支払意志額調査とは
価値意識法/支払意志額調査(willingness to pay)
スポンサードリンク
-仮想市場における値付けゲーム(bidding game)-
「再開発をしてもテナントが決まらない。」
「保留床が処分できない。」
「だから再開発に取り組む意思決定ができない。」
再開発の初動期でよく耳する話です。
最近では、床の処分性が都市計画決定(都市計画法第18,19条)の担保に求められるまでになりました。しかし、この御時世、必死になってテナント探しをしても簡単に手をあげてくれる企業はありませんし、何の問題もない優良なプロジェクトもありません。この状況を打破するには、用途構成計画(テナント導入計画)に関しての発想転換が必要です。きちんとした開発コンセプトに基づきつつ、"どんなものにどの位の価値を使用者(生活者)は見出すのか"、という使用者側の理論(生活者の目)をきちっと組み上げた計画にすることが重要ではないでしょうか。
そこで、価値意識法/支払意志額調査(willingness to pay)による方法をご紹介します。
「価値意識法/支払意志額調査(willingness to pay)」を言い換えるなら、「仮想市場における値付けゲーム(bidding game)」となるでしょう。用語解説的には「価値意識法(CMV Contingent Valuation Method):環境状態と所得との限界代替率を、アンケート調査もしくは仮想市場を設定して、模擬的な環境財の消費選択を行わせるマーケット・シミュレーションによって得る方法」(道路投資の社会経済評価<東洋経済新報社>より)となります。
もう少し分かりやすくご説明します。例えば「緑の生け垣を作る」「自由設計の集合住宅を建設する」などの段階的な仮想プランを、市街地環境の改善計画において設定します。
次に、これらの仮想プランに対し、どのような人たちがどのくらいの値付け(評価)をするのか調査します。その上で、それぞれの属性に分類された人たち(プランの評価者)の価値意識と支払い意志額との関係を数式化(限界代替率)するのです。そうすることで、その評価者の認める計画の便益度が統計的傾向値として計測できるわけです。
これは、損害補償のような通常の市場では取り引きできないサービスや財を扱うマーケットで先行している手法と同じです。
要点は、仮想の状況を現実のものとして設定し、"そのような状況の場合、あなたはどれだけの富を支払う意志があるか(潜在的価値観)"を引き出すことです。これを初動期のテナント導入計画等に応用すれば、計画の指針が得られると思います。
(西)
[資料] 価値意識法/支払意志額調査(willingness to pay)の解説は、前述の「道路投資の社会経済評価、中村英夫編道路投資評価研究会著」(東洋経済新報社)が詳しい。世界的には、補償評価の計測だけでなくスラム等の移転移住計画等にも用いられ既往研究が多い。
[当研究所から読者のみなさまへ]当研究所は、途上国の市街地環境の改善にかかる計画手法としてこれを用いる研究を現在行っています。また、今年、実際に再開発の用途構成計画に使ってみる予定です。本件についは、国内における実績を知らないのでご存知の方はお教えください。
用語集TOP|ア行|カ行|サ行|タ行|ナ行|ハ行|マ行|ヤ行|ラ行|ワ行|英数字|
スポンサードリンク
サイト内関連記事
- 仮設店舗とは
- 再開発事業の目的は、「住環境の改善」や「商業活性化」など健全な街づくりと街の活......
- 換地とは|換地の用語説明
- 換地は土地区画整理事業の用語です。土地区画整理事業では、個々の土地所有者から、......
- 共益費とは
- 再開発事業で完成する施設は、多数の権利者の合意形成の産物です。事業を行うに当た......
- 緊急離発着場とは
- 再開発における建築物は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図る再......
- CATVとは
- CATV(ケーブルテレビ:Cable Television) ※元来は Comm......
- 建築基準法における集団規定とは
- ここでの「集団」とは、「単体」に対する「集団」です。つまり、建築物を集団として......
- FR鋼(建築構造用耐火鋼材)とは
- 1.建築物の耐火設計 再開発事業等において建設される共同住宅及び店舗・事務所・......
- 権利床とは|保留床とは
- 「権利床」と「保留床」はともに、事業によって建設される再開発ビル(施設建築物......
- 権利変換とは
- 権利変換は、市街地再開発事業の要です。簡単に言うと、この権利変換を境にして、「......
- 権利変換手続の特則とは
- 権利変換手続の特則(110条型と111条型) 権利変換とは、市街地再開発事業施......
- 公共施設とは
- 「公共施設」は、都市再開発法(第2条)では「道路、公園、広場その他政令で定める......
- a工事 b工事 c工事|工事区分とは
- ショッピングセンター・共同店舗等にテナントとして出店するとき、必ず耳にする言葉......
- 高度利用地区とは
- 「高度利用地区」は都市計画法第8条に規定されている「地域地区」のひとつで、用途......
- コージェネレーション(熱電併給)とは
- 単一又は複数のエネルギー資源から、電気と熱という異なるエネルギーを同時に得るシ......
- コーポラティブ住宅とは
- コーポラティブ住宅(Cooperative House) 住宅の購入を考えてい......
- 個人施行者とは
- 個人施行は、市街地再開発組合のように法人をつくるのではなく、個人が施行者となり......
- コンストラクション・マネジメントとは
- 建設工事費の不透明性は、従来から論議されている話題です。 設計図面を元に数量......
- 環境基本法とは
- 日本の環境政策として、1992年6月に開催された地球サミットをきっかけに1993......
- 環境影響評価法とは
- 日本として1993年に環境基本法を定め、1997年に環境影響評価法を成立し199......
- コミュニティ憲章とは
- 地方自治体で定める「まちづくり条例」に対し、住民のまちづくり・生活自治活動の中で......
