免震工法とは
(1)免震とは
地震に対し、建物の強度やねばり強さ(変形能力)で抵抗する考え方を「耐震」といい、地震の入力に対し、建物の性質を変えたり、入力と逆の力を発生させて、入力を低減させる考え方を「制振」といいますが、理想的なのは、激しい地震動を直接建物に伝えないことです。この考え方を「免震」といいます。免震装置(アイソレーター:絶縁体)は、地面と建物の縁切りの役割を果たすもので、古来、丸太や砂を基礎の底面に敷くことにより、免震効果を発揮させる実例がみられ、さらに水面に浮かべる建物も考案されました。その時々、場所に応じた方法が採用されてきたわけですが、現在では、積層ゴムやローラーベアリングが使われます。
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(2)免震の特長
免震建物は普通の建物に比べ、地震時の揺れが 1/2~1/3 に低減し、その揺れもゆっくりしたものになります。また、普通の建物は、上層にゆくほど揺れがひどくなりますが、免震建物では各階とも揺れがほとんど変わりません。
(3)実証された免震効果
・郵政省WESTビル
阪神・淡路大震災で無傷であった郵政省WESTビルは、地上6階地下1階のSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造、延べ 46,823 M2の建物で、基礎部分に鉛プラグ入り積層ゴムが採用されていました。( 120 基)観測結果、各階の地震応答値は 1/3~1/4 に低減しています。
・海外での事例
ノースリッジ地震の時、ロスアンゼルスにある10棟の病院のうち、機能が維持できたのは免震建築のUSC病院だけでした。花瓶や医療器具の転倒もなく、一時中断された脳外科手術が直ちに再開され、無事終了しました。

(4)免震構造の原理
ガル(GAL:CM/秒2)は加速度(揺れ)の単位で、1秒間に速度が1増えることを1ガルといいます。地震の入力は建物の固有周期によって変わり、固有周期が長いほど、入力(応答加速度)は小さくなります(右図参照)。免震装置により固有周期は長くなり、建物への地震入力が小さくなるため、耐震性能が格段に向上します。建物の崩壊よりも実害例の多い、家具・備品・器具の滑動、転倒による圧死という悲惨な結果は、免震工法の採用で免れることができます。

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