適正規模・共同事業型再開発事業とは

 市街地再開発事業は、敷地の共同化・高度利用を基本とする権利調整のしくみと都市計画事業としての実効性を持つという点で、権利関係が輻輳する既成市街地の再開発を進める上できわめて重要な事業手法です。

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 しかし、高度利用によって生まれる保留床を処分することにより事業採算を確保することを基本としたこれまでの一般的な事業のあり方では問題が解決しなくなってきています。事業成立が適正な高度利用にみあうポテンシャルがある場合に限られざるを得なくなってきているということです。最近では開発内容がその地域の土地利用に見合う適正な高度利用としての視点に変化してきています。

 経済情勢の低成長化に伴う床需要に対する構造的な変化(保留床の賃貸希望の増加による第三者への保留床処分用途の減少)や、中心市街地における都市の質的強化を目的とした再開発事業の増加(高度利用から高質利用への概念的変化)などにより、市街地再開発事業の手法においても変化が求められています。これからの再開発事業を考える上で、次の2つの視点が挙げられます。

 まず第一は「適正規模の再開発」です。これまで再開発事業を推進する上での導入期の核となっていた商業・業務系の床需要の構造的変化や需要量が余り高くない場合では、事業採算上の理由から高度利用や事業区域の大規模化を図ることは、保留床の増大などによりかえって事業のリスクを増大させることにもつながりかねません。そのため立地創造のための事業のスケールメリットを確保しなくても良い場合には、地域の開発ポテンシャルや再開発の目標に見合った適正規模の再開発規模とすることが必要です。

 そして第二に「共同事業型の再開発」という視点です。適正規模の再開発事業を実現するためには、従来のような第三者への保留床処分型とは異なる事業方式へと転換することについても検討することが必要です。地域の環境改善や立地拡大等については、その手法の一つとして権利者法人等を設立し、自ら資金調達が可能な範囲内で行う増床取得を基本とする、いわゆる共同事業方式といえましょう。この方式のメリットは、①開発ポテンシャルが短期的将来においてそれほど大きくない地域での再開発が可能になる、②事業に対する地価の影響を軽減化しやすい、③権利者の資産保全や相続対策としての有効性、などが挙げられます。

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 このように、経済・社会構造の変化のなかで中心市街地の質的向上を図る再開発事業を実現する場合、上記のような視点の再開発事業も注目を集めています。まちづくりによって地域環境等が向上し、質的に資産を保全するために、自分たちのできる範囲(適正規模)で再開発事業(共同化)を進めることといえましょう。しかし「新たな負担なしに自分の店舗や住宅の更新ができる」これまでの再開発事業に対する意識を改め、一定の負担やリスクを伴うことを了解しつつ「自分たちの街は自分たちで創る」という考え方にたち、主体的に再開発事業に取り組むことが必要とされることはいうまでもありません。 

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